すこやかに、穏やかに子育てをしたい。日々のストレスもなんとかしたい! そんなハハをサポートしてくれるのが、アロマテラピー。毎日の暮らしの中で、気負わず、できるだけ簡単に、楽しんで使える。そんな“暮らしのアロマ”をお伝えしていきます。
自律神経のバランスを意識する
朝晩、だいぶ冷え込むようになってきました。
昼夜の寒暖差や空気の乾燥で、体調を崩しがちな時季ですね。疲れが取れない、寝つきが悪い、子どもがぐずりがち、など、ちょっとした不調を感じている方も多いかもしれません。
そんな時気を配りたいのが、一日のリズムを整えること。同じ時間に起きて、日中は活動的に過ごし、夜はぐっすり眠る。簡単なようですが、気候の変化や週末の夜更かし、ちょっとしたストレスの積み重ねなどで、そのバランスを崩してしまうことも。
毎日をリズミカルに過ごすために大切なのが、自律神経のバランスです。自律神経とは、内臓を動かしたり、呼吸を制御したり、生命を維持するために自動的に働く神経のこと。
この自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」の2種類があります。「交感神経」は全身の機能を活性化し、エネルギーを外に振り向けるために働く神経です。一方「副交感神経」は、身体を休め、エネルギーを補給するために働きます。この2つの神経が同時に強く働くことは無く、一方が強く働くときは、一方が弱められます。2つの神経が必要に応じて強弱入れ替わり、バランスよく機能しているのが理想的です。
日中は交感神経優位な状態で精力的に活動して、夜はリラックスして副交感神経が優位になれば、しっかり休息・エネルギー補給ができるという訳です。
忙しいハハは掃除でシャキッと、感染症対策も
風邪などの体調不良やストレスなどをきっかけに、このバランスが崩れてしまうことがあります。咳き込みが激しくて熟睡できず、日中働くはずの交感神経がうまく機能しなくなり、常にボーっとしてだるい。逆に、仕事や育児ストレスで緊張状態が続いて副交感神経の働きが鈍くなり、リラックスできない状態が続き、肩こりや胃痛がするなど、誰しも経験したことがあると思います。
第一回目の「アロマテラピーってなに?」で、精油には薬効(薬理効果)があって当たり前という話をしました。どんな成分を含んでいるかでその効果に違いがあるのですが、神経系の鎮静・リラックスを促す「鎮静作用」や、心身を刺激して活動性を高める「強壮作用」を持つ精油を利用すれば、自律神経のバランスを整えるよう、働きかけることができます。
交感神経の働きを優位にし、日中をスッキリした気分で過ごすために使いたいのが、強壮作用やリフレッシュ効果がある精油。オレンジ・スイートやベルガモットなどの柑橘系の香りは、気分を明るくして、ストレスや緊張感を緩和してくれます。リフレッシュ作用と同時に気持ちを落ち着けてくれる鎮静作用も併せ持つので、子どもと一緒に過ごすリビングに香りを漂わせておくと、穏やかに、かつ活動的に過ごす手助けをしてくれるはずです。
なんとなく体がだるくて動きたくない、頭をシャキッとさせたい!というときは、もう少し刺激と清涼感をプラスしてみましょう。そんなときセレクトしたいのが、「1,8-シネオール」という成分を含む、「ローズマリー」「ペパーミント」「ユーカリ」「ティートリー」などの精油です。
「1,8-シネオール」には、抗菌作用や抗炎症作用、去痰作用、免疫調整作用などがあります。そのため、風邪やインフルエンザ、呼吸器系の不調の際によく使われるのですが、特徴的なのが、スッと鼻を抜けるような爽やかな香り。身体の芯をピリッと刺激してくれるような爽快感があるので、なんだかスッキリしないなぁという時、私はよく利用します。これから風邪やインフルエンザが流行り出す時季には、室内の空気の浄化、感染症予防も兼ねて使ってみてくださいね。
アロマディフューザーを使う、ティッシュやハンカチに1~2滴垂らして吸入する、などでもよいのですが、忙しいハハにおススメなのが、掃除機で一気に香りを拡散する方法。小さくちぎったティッシュの破片に、精油を2~3滴たらします。それを掃除機でジャッと吸い込むか、ゴミをためるフィルターの中に直接入れます。その後、いつも通り掃除を開始。排気口から爽やかな香りが吹き出して、ものの30秒もあれば、部屋中に香りが充満します。気になる排気の臭いが爽やかになり、精油の抗菌作用でフィルターも清潔になるという、忙しい(または面倒くさがり!)ハハにもピッタリな方法なのです。
私はよく「ローズマリー」を使います。0歳の赤ちゃんと日中べったりで過ごし、ごろ寝で授乳をしてウトウト、ボッーとしてしまうなんていう時、ローズマリーの香りで掃除機をかけ始めると、次第にテキパキ動けるようになり、心身ともに覚醒してきます。ローズマリーには集中力を高める作用もあるので、仕事を持つハハにもピッタリです。朝イチ、アロマでパパッと掃除を済ませておけば、爽快な一日をスタートできますね。
夜はラベンダーとカモミール・ローマンでリラックス
日中活動的に過ごしたら、夜は副交感神経を優位にして、鎮静・リラックスモードへ。リラックス系の精油として有名なのが、万能精油「ラベンダー」。優れた鎮静作用を持ち、イライラや不眠にも効果的です。子どもの寝つきが悪い、眠りが浅くて何度も目覚めてしまうという時試してみたいのが、「カモミール・ローマン」。不安、緊張、恐怖感の緩和という作用があるので、人見知りや場所見知りがある月齢の子どもや、保育園や幼稚園に慣れず、日中緊張して過ごしているという子どもたちにも、優しく働きかけてくれます。「子どもを守る母のような香り」と称されていて、りんごのような甘く包容力のある芳香は、私も、我が家の子どもたちも大好きな香りです。
「ママ、なんか眠くない!」と訴えてくるときには、カモミール・ローマンをハンカチに1滴たらして渡し、「おやすみの匂いだよ。これがあるとよーく眠れるよ」なんて言い聞かせると、「あ~むっちゃいい匂い。眠い気がしてきた…」なんて、コロっと眠ってしまったりして、助かっています。私自身が眠れないときは、ラベンダーとカモミール・ローマンをブレンドしています。カモミール・ローマンはとても香りが強いので、使用するときは1滴で充分。量が多いと逆にクラクラしてしまうので、注意してください。
カモミールには、「カモミール・ジャーマン」という精油もありますが、こちらはまた別物。優れた抗炎症作用、抗アレルギー作用がありますが、少しクセがある独特の芳香があります。アレルギー体質でたまに蕁麻疹を出す息子の体質改善にと、以前お風呂に1滴入れたことがあるのですが、「くっさいわ!二度と入れんといて!」と怒られてしまいました(笑)。香りには好き嫌いがあるので、「~に効くらしいから、この香りを使おう」というだけでなく、直感的に好き、心地よいという香りを選ぶことも、とても大切ですね。
ラベンダー、カモミール・ローマンが共通してもつ「エステル類」という成分には、優れた鎮静作用があるのですが、ほかにも、鎮静・リラックス効果を持つ精油はたくさんあります。精油には、含有成分の比率などが表記されている「成分分析表」がついているものも多いので、「1,8-シネオール」「エステル類」などの成分名を覚えていると、専門的な知識がなくても、「これはスッキリ爽快系」「こっちはリラックス」など、簡単に判断できます。
香りを使い分け、一日のリズムを整える手軽なアロマテラピー。香りの奥深い世界への入り口として、試してみてください。
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