ある日突然、強烈な腹痛、嘔吐、トイレでの大量出血に見舞われ、病院のERに運ばれました。
小学校では健康優良児として表彰され、既往歴もなく、いまだに風邪もあまりひかない私。
入院の経験は出産時(1日半)のみだったこともあり、深刻な事態は全く想定しておらず、
今回もすぐに治まって早々に帰れるだろうと思っていました。
・・・が、体の痛みも出血も止まらず、いくつ検査をしても何が起きているのか突き止められないまま、
あれよあれよと時間が経ち、なかなか退院できません。
準備ゼロにて入院スタート
さあ、そうなると大変なのは10ヶ月を越えたばかりの娘(完全母乳+離乳食3回)のこと。
事前になにも症状がないままいきなり入院生活に突入したため、精神的にも物理的にも、事前準備はまったくのゼロです。
しかも、ここは家族や親戚からも遠く離れた地・ロサンゼルス。
ERに駆け込んだのは、真夜中。近所にたくさん友人がいたことが不幸中の幸いでした。
近所の友人が我が家に駆けつけてくれて、寝ている娘を見てもらい、夫とともに病院に向かったのでした。
病院についた途端、強い痛みを抑えるためモルヒネを打たれた私。
この瞬間、朦朧としながらまず思ったことは、「これはまずい・・・。どのくらい時間をあければ授乳できるかな?」。
結局なかなか退院できず、また、痛み止めなどの薬をずっと投与されていたので、
そのまま断乳することになってしまうのですが。

入院2日目の病院食。
なぜかアイスバーが2本出てきました。ナゾすぎます。
やっときゃよかった、事前のアレコレ
結局、入院生活は2週間に及びました。*現在は退院して元気にしています。
私の場合は稀なケースですが、子育て中のハハがいきなり子どもと離れざるを得ない場合も、やはりあるわけです。
私(計画性なし、行き当たりばったり系)が「やっておけばよかった」と思ったことをまとめてみました。
・日常の細かいことを、夫と共有しておく
夫は仕事があり、私が家で娘を見ていたことから、娘の日常の細々としたこと
(どこに何があるか、朝昼晩に何を食べさせているか、寝かしつけについてなど)を改めて夫に伝える必要がありました。
痛みで話すこともままならなかった入院直後に、それを伝えるのはなかなかパワーがいりました。
もっと日常の細かいことを、夫と情報共有できていればよかったです。
・娘を哺乳瓶に慣れさせておく
娘は哺乳瓶に慣れていませんでした。というか、いつの頃からか完全拒否。
昔はちゃんと飲んでいたのに、練習をしばし忘れている間に哺乳瓶がだいきらいに。ああ・・・。
すでにストローで飲めるようになっていましたが、そこまでぐびぐびとは飲めません。
なので、今回のように突然授乳できなくなったとき、ミルク等で代替する手段がありませんでした。
幸い、すでに離乳食は一日3回になっていて栄養面での心配はさほどなかったものの、
もし娘がもっと小さくて離乳食では栄養がまだ取れない時期だったらどうしていたのだろう、と思います。
いつだって複数のオプションを確保しておくことはリスクヘッジの基本でした・・・(気づくの遅い)。
・緊急時に娘を預けられるリソースを把握しておく
夫が病院で私に付き添っていたため、入院後数日は近所の友人たちがシフトを組んで娘を預かってくれました。
ただ、退院のめどがつかなかったこともあり、いつまでも友人の厚意に甘え続けるわけにはいきません。
今回は幸運なことに、入院の数日後には義母と母が入れ替わりで日本からヘルプに来てくれましたが、
こうした緊急時にどんなリソースが使えるのか、リストアップしておくのはもちろんのこと、
申込方法や評判などを事前に把握できていたらよかったです。
日本では自治体ごとに子育て支援の一環で、子どもを一時的に預かってくれる行政サービスがあるようです。
HPなどでは分かりにくいことも多いので、直接窓口に問いあわせしてみるのがよいかもしれません。
逆に、やっていてよかったこと+恵まれていたことは、
・離乳食のストックを冷凍していた
大食漢の娘の消費量はすさまじく、すぐになくなってしまいましたが、数日はもちました。
・近所に子育て仲間の友人がたくさんいた
日常的にお互いの子育てを間近で見ていたので、細かく言葉にしなくても
だいたいのことは察して娘と接してくれたのがありがたかったです。
不測の事態は、突然に
今回の症状は、腎臓周りの血管がやぶれて体内で出血が止まらなくなっていたことが原因でした。
私が入院していたUCLA大学病院は医療レベルが高く、世界中から医療関係者が視察や研修にくるほどですが、
そこの医師をもってして「これは事前には予測できないし、予防もできなかった事態。
とても稀なケースだし、起きてからしか対処できなかった」とのこと。
なんとまあ、おそろしい!
ハハのみなさん。
まさかのできごと、明日は我が身(とならないことを祈りつつ)かもしれません。
やつは時に前触れもなく突然やってきます。私は完全に油断しておりました。
気をつけ…ようがないこともありますが、せめて平常時にもろもろ備えておかれるとよろしいかと思います。
後日談:
① 突如母が消えて、大好きな母乳も飲めなくなり、人のおうちを転々とすることになった娘。
にこにこ元気にやっていると聞いていましたが、やはり慣れない日常にストレスはあったようで、
私が退院してからもしばらくは少し不安定でした。
ベビーカー拒否、飲み物飲まない、警戒心が強い、私にまでよそよそしい、など。
いまでは(退院から4週間経ちました)すっかり元通りになり安心しています。
② 超音波やCTスキャン、MRIなど一通りの検査と、2回の手術、2週間の入院で、
腰が抜けるほど高額の請求書が病院から届きました。
思わず桁を数えてしまったほど(しかし何度数えても、桁は減らない・見間違いでもない現実)。
アメリカでの医療保険は、少しくらい保険料が高くても補償が手厚いに越したことはありません。
だってやっぱり、何が起きるかわかりませんから。・・・しみじみ。