いつから、クリスマスプレゼントはサンタさんへの発注方式になったのだ?
私がおぼろげに記憶しているクリスマスというものは、靴下をおいて寝ると朝おもちゃやら何かしらが枕元に置かれているというスタイルだった。ちゃちなボール紙でできた、お菓子の詰まった長靴で済まされることも多かった。それでも小躍りして喜んだものだ。つまり親にプレゼント選択権があったと記憶している、が。そんなのもう、遠い昔の文化なのか。高度成長期の話なのか。
それが今ったら。もう、品番でリクエストが来るくらいの状況じゃないすか皆さん。なんならURL貼られてる人もきっといるよねお手紙に。すごい時代だよ。まさに次世代だよ。母さん怖いよ。
ねえねえ、坊ちゃん嬢ちゃん。いくらなんでもさ、サンタさんにもご都合があるじゃろう。そんなに世の中思い通りにならんじゃろう。サンタ側の皆さんもさ、そんな頑張んないでいいんでないか。お菓子の長靴でもいいじゃないか。
なーーんて、正直これまで思ったりしてました。(うちはまだ3歳未満だし、今年も鼻歌まじりにしらばっくれる気満々で)
がしかし。
ただでさえくそ忙しい師走に、子供の発注通りのおもちゃ探しに奔走させられてるハハたちの横顔が、ね。
「もう勘弁してよー!」といいつつ、どこか喜々としてることに気付いたわけ。
あ、サンタ、まんざらでもないんだなって思ったわけ。
子供たちの方もさ、そんなワガママクリスマスを何回か経験するうちに、サンタの正体を知ってさ、そしていつか自分がサンタになるのだけど。そんな、不思議でドキドキして最高に嬉しいことが起きる夜が、一年に1日くらいあってもいいよなって、思ったわけですよ。ほしいものがちゃんとやってくる、魔法の夜が。
それはきっと、信じてるうちはおとぎ話のような世界観として、その後は親の愛を感じる思い出として、子供たちに残っていくんだよね。
ねー。
(今夜息子にサンタさんから何もらいたいのか、聞くだけ聞いてみようかナ。。)
で、本題。
(前置き、長ーっ!)
私からもサンタさんにお願いがあります。
体力を、ください……。
つーか身体……なんとかしてください……。
もうおら、毎日しんどくてよう。寒さがこたえてよう。。
え?それじゃあ漠然としてて叶えられない?現代っ子のように具体的に言え?
サンタさんも次世代ですか。
えーと、それでは謹しんで申し上げます。
0歳2歳を抱えたワンオペがちな日々に疲れ、夫をなじろうにも親に頼もうにもどうにもならず、やさぐれて一周回ったとこで、もしや自分の気持ちの問題かもと「愚痴☆ゼロキャンペーン」を一人で開催し、笑顔で前向きに2週間ほど踏ん張ってみたところ睡眠不足と肉体疲労の蓄積により結果的に出てしまった頸椎2番の損傷による首から左指先までの痺れと、それをかばう負担からきた左膝の痛み、および身体全体の倦怠感の、解消をお願い致します。
え?わからん?できん?長い?物で発注しろ?
なんなんサンタ。察してや。わかったほんなら!サロンパスの温感貼るタイプ1箱とコンドロイチン1瓶、パナソニックのフットマッサージャー、ラフィネの12回チケットをお願いしますっ!!これでいいかー!
ハァ、ハァ、、
ね、夢いっぱいでしょクリスマス。
大人ハハたちの、夢じゃない痛みや疲労にも。
サンタさん来るといいね。
ほんとに。
・・・・・。
いやいやいや!
そうだよ。
まじで来るべきだよ。
一年間、ほんとよく頑張ってきたんだ。
サンタさんは、ハハにこそ来てほしいじゃないの。
パナソニックとかラフィネとか温泉とか、疲れを取る系、
もしくは食洗器とか自転車とか電動で助ける系、
もしくはキラキラの石とかふわふわのハワイのブーツとかのおしゃれ系。
そこはもう品番で行かないと。URLでいかないと。
お菓子の長靴なんかでたまるもんですか!
さあ書こう、書こう。
あなたのサンタへの愛をこめたラブレター、という名の注文書。
ハハ諸君の健闘と幸運を祈ってます。
素敵なクリスマスをー☆
(Illustration: Ayako Kubo)