赤ちゃんだった我が子が立ち上がり、
ヨチヨチと歩き出し、ついには走り出した。
もうベビーじゃない。少年少女の後ろ姿で駆けて行く。
ステージが変わった。
見える景色も変わった。
人の目はもう、気にしないでいい。
答えはスマホの中にはない。
私自身の中にある。我が子の目の奥にある。
我が子が走り出して
私たち母も、駆け出していく。
この世界にもう一度踊り出していく。
自分の足で土を蹴って。風を感じながら。
***
ハハには、
ステージがある。
常に赤ちゃんを抱っこかおんぶしている時代は、大きなショルダーバッグにあふれんばかりのものを詰めこんで、それを横にドンと置いて、授乳やらオムツやら「お世話をする」毎日でした。
それが、1年経ち、2年経ち、荷物の内容が変わっていきます。哺乳瓶が消え、マグが消え、離乳食やおしりふきが消えたと思ったら、代わりに絵本やフリスビー、虫よけにばんそうこう、自分の物も帽子にサングラスと増えていきます。
そう、「一緒に遊ぶ」毎日になって。
走る走る、よじ登る、飛び下りる、ごろごろ転がる、踊る、ママ来て!の嵐、ママ見て!の嵐、なぜというタイミングで寝落ち……。
「もう、両手が空かないとだめなんだ」。
自分のステージが変わって、やっと、分かったのでした。
hahaha!で最初につくったショルダーバッグ(ハハbag)の販売中、「リュックも作って!!」という熱い声をたくさんいただいた意味が。
***
「ハハたちのための、本当に使えて、本当に素敵なリュックを作りたい」。
お願いしたのは、名古屋にあるsuolo(スオーロ)というブランドでした。
きっかけは、私がまさに産後まもないステージのときに使っていたバッグがsuoloのものだったことから。鎌倉のセレクトショップでたまたま見つけた「CROP」という名前のバッグに一目惚れし、生まれたばかりの息子を抱きながら、ファースト・ママバッグとして愛用していました。たくさん一緒に旅もしました。
suoloの誕生は畑から。
道具としての美学を持つバッグ
suoloは、代表の水野義和さんが自分のために作った、野菜の収穫用バッグ1つから始まります。かつてバイヤーとして活躍していたファッションの世界を一旦離れて物づくりをしたいと、畑仕事を始めて6年ほど経ったときでした。それが現在のsuoloの定番バッグ「CROP(=収穫)」の始まり。そう、母になりたての私が出会ったバッグです。
suoloのブランドコンセプトには、「道具」としての美学があります。
素敵なラバーブーツを買ったことが土を学ぶきっかけになったり、お気に入りのはさみのおかげで剪定作業が楽しくなったりするように、素晴らしい道具から、行動が生まれることってあるよね、と。
そこで考えました。このリュックは、ハハたちにとって、どんな道具なのか。
なんだか、動き出したくなる道具。
自分の好きに生きようと思う道具。
勇気を出して遠くまで行くための道具。
これからの自分にワクワクする道具。
それから、
どんな道具かを決めるのも私の自由だ、っていう道具。
suoloとコラボさせていただけるなら、そんな美学を持った商品にしたいと思いました。

便利。だけど
それを求めすぎない。
ただでさえバタバタな生活の中で、時に秒速で、時に千手観音のようにマルチタスクをこなすハハたちだもの。もちろん機能性は追及しました。
でも、やりすぎない。
基本はシンプルに。
ポケットの数よりも、私たちの毎日にちょうどいい大きさ・重さかどうか、私たちの手になじむベルトの太さかどうか、私たちが心地よい質感・色かどうか、そういうところを大事にしました。何年もずっと使えること、誰が持っても素敵なことも。
ブランド「suolo」の、センスと、道具としての美学。そして、布の染色から加工、縫製の1針まで細部までに精神の宿った、尾張の職人さん方の技が、私たちの理想を形にしてくださいました。
トレンドに流されない。
自分のいいと思うものを貫きたい。
信じるのは自分。と我が子。
「私はこれでいく」。
心の中に1本、芯を持ちたい。
いま、そんなステージにいるあなたに届けたい。
hahaha!の「ハハリュック」が完成しました。

メインのキャンバス素材は、軽くて丈夫。一般的な帆布より柔らかく、少しシワ加工のある独特の風合いです。
そしてベルトに使った明るめの牛革素材が、知的でおしゃれに見える最大のポイント。どちらも経年によってどんどん味が出てきます。

下までガバっと開くから、入れやすい。取りやすい。たくさん入る。
日々の生活はもちろん、旅行にもかなり使えます。
内ポケット大・中・小がこれまた、絶妙な使いやすさ。内側のどこかに、ふと目があったとき笑顔になれる、hahaha!からの愛のメッセージが忍ばせてあるのでお楽しみに。

サイドポケットもhahaha!のためにつけてもらったもの。飲み物やサングラス、パスモや鍵なんかを「とりあえず」入れられるのが便利。
上の持ち手は、ベビーカーにひっかけやすい幅に改良してもらいました。
あれ?お猿が入っている場所は一体なに…?

正解はこちら。背負ったまま片手でお財布やスマホを突っ込める、背面についた秘密のファスナー。慣れてくるとこれ「神!」と思います。入る先は、内ポケットの中なので、ごちゃごちゃせず取り出すときもスムーズ。

ポイントのもう1つは肩ベルト。中身が重くてもしっかり支えてくれて、肩に食い込まない。suoloの既存ラインより1センチ細くすることで、がっちりした印象になりすぎない。でも十分に幅があるので、男性も、年配の方も使えるデザインになっています。不意の「ママおんぶ!」でも、リュックは夫や親に交代OK。不織素材(フェルト)が内側についていて、なで肩でも、だっこ紐の上でも、ずりおちません。
そして何より。大人の女性として、持ちたいリュックなのかどうか。どんな服にもキマるのかどうか。ですよね。それについては、正直、自信満々です。すごく可愛くて、クールです。ほんとに。
カラーは悩みに悩んで、私たちの惚れ抜いた3色に絞りました。

< オリーブ >
キャップをかぶって山に繰り出してもいい、ブーツを履いて街に繰り出してもいい、まさにオールマイティな色。大人ハハにちょうどいい、落ち着いてて、媚びない、知的な深いグリーン。

< キャメル >
このくらい明るい差し色が、逆にこれからの大人って感じがして。普段落ち着いた色のコーディネイトが多い人なら、是非。このバッグの登場がきっと日々の新鮮な変化になるはず。

< ネイビー >
ブルーよりはかなり黒に近い、墨紺。光によってニュアンスが変わる、スモーキーな渋い色。柄もののワンピースなども相性GOOD。そしてお仕事でも使う人にもおすすめ。コンサバになりがちなお仕事シーンで、ベルトの明るい茶色がアクセントと抜け感になって素敵です。
***
私たちハハは、このリュックで
駆け出していく。裸足で土を蹴って
右往左往したベビー時代。検索をしてもしても、不安が拭えなかった。
あんなに自由自在だった世界は狭く狭くなって、ほんの近所への移動にもハラハラどきどきした。
数年が過ぎ、子どもが走り出して。
私たちも走り出す。この世界にもう一度踊り出す。
そのときに、泥を気にするのか?雨を疎むのか?
いや。むしろ味わおうじゃないか。
靴を脱ぎ、泥をはねて走り、雨を受けて歌い、木によじのぼり、芝生ででんぐり返って、ゲラゲラ笑おうじゃないか。
そんなとき、このリュックを汗びっしょりにして全力で走ってほしい。
土の上だろうが炎天下だろうが、気にせず大地に放り投げてほしい。
ベルトの部分が革だから。本当は、濡らさないでとか、色落ちしますとか 色々言わなくちゃいけないのかもしれません。
でも、言いたくないんです。「あなたの、好きに使って!」って思うから。私たちもそうします。
水はねが革に染みてしまうかもしれない。日に当てれば色が褪せる。
Let it go。それがあなただけのリュックの味になる。
雑に使っていいと言いたいのではなくて。扱い方にも用途にも、正解はないということ。
本当は、何にも正解はない。ハハを数年やってきて、やっと見えてきたこと。
キョロキョロ、しなくていい。
あなたは、あなたでいい。
そんな思いをこのリュックに込めました。
いえ、私たち自身がそうありたい宣言に近いものかもしれません。
今の時代を生きるハハのみなさん、一緒に、走りましょう!
photo: Yumiko Mogami
bag styling: Makoto Fukuda
サイズ(約):タテ40cm、ヨコ37〜28cm、マチ15cm
(A4、B4サイズは楽に入ります)
重さ(約):800g
ベルト長さ :62cm〜74cm
(体が大きい方、パパも共用する方は、念の為お手持ちのリュックを測るなどしてご確認ください)
カラー:オリーブ、キャメル、ネイビー
金額:19,000円 +tax 送料:一律 1,080円
→ご注文は、hahaha!のWEBショップへ
※キャンバスの汚れは、薄めた石鹸などで部分洗いし、洗剤をしっかり落として陰干ししてください。革部分はできるだけ洗わず、経年変化で深みを出すときれいです。
※使用頻度や服の素材によって、ベルト内側のフエルト部分に毛玉ができることがありますが、毛玉取りやはさみで取り除いて下さって大丈夫です。