#3 「流行遅れの色を塗る」
社会からおいてきぼりな気分。
子供と2人だと、そういう瞬間もある。
娘が0歳だった2017年はスモーキーカラーのネイルが流行した。
特にネイル好きではないのに、やけに感傷的になってしまった。
私はその色を買いに行けないのだ。
(赤ん坊を連れて、都会に出るのが怖かった)
仕方なく手持ちの色を塗って、自分を慰めた。
仕事、生活、人づきあい、全てのことに制限がかかっていた。
特に仕事はつらい。連載2本を残して全部降りた。
焦る。休んだらもう終わりなんじゃないかと悶々とする。
子供が何歳になれば戻れるのか、と考えて途方に暮れた。
…という話を幾度となく聞いた気がする。自分にも降ってきた。
が、なんとかなっている。
そうそう、みんな言ってた。
大変だけどなんとかなってる。
これかあ。これねえ。