これが、集落の洗礼か
はじめまして!3歳の娘をもつ、鴨内 敦子と申します。
現在、長崎県は島原半島の一番南に位置する南島原市というところで、移住ハハしています。

まもなく収穫がはじまります
2年半に渡り世界を放浪した後、「観光を通じて地域活性を目指しているところに住みたい」という主人の意向でたどり着いたのが、ここ、島原半島でした。
互いに東京育ちである夫婦の移住生活が落ち着いてきた頃、2014年秋に新しい命を授かりました。それからまもなく、町の中でも山手にある集落の大きな空家を借りたのですが、想像以上に寒さが厳しく、ハードル高めの薪ストーブとかを用意してみたり。
お陰さまで信頼できる産科医院があったため(車で1時間の場所だが…)、実家には戻らずに半島で出産を決めました。そして無事に出産を終え、帰宅すると・・・
私たちの帰りを待っていたのは、全然知らないおじいちゃんやおばあちゃん達。
この山の中にこんなにもたくさんの人がいたのか??というほどの人が、次から次へと生後数日の赤ちゃんを見にやってきます。見知らぬ人が、どうぞとも言っていないのにガンガン家の中に入ってくる!そんな状況じゃおちおち寝てもいられない。
こちらがうとうとしていたら、何やら気配を感じるので目を開けると、置き物のように座るおばあちゃんの姿。
「養生 < 緊張」の日々、これが2週間は続いたか・・・

コの祝いは地域の祝い
当時を振り返れば、得体の知れないよそ者、そしてその赤子を迎え入れようと(興味本位だけだったかもしれないことはさておき)やってきてくれた皆様には感謝しかなくて、お陰さまで、今では集落の皆さんにわが娘は育てられています。
毎日のように訪ねては、日課のおやつを与えてくれて、おおらかに見守り可愛がってくれているのです。
バイリンガルって・・・
そう、2ヵ国語を話す人。
わが娘、すでに島原弁と標準語を上手に操るのです。保育園に通う彼女を取り巻く環境は、ハハの想像をはるかに超える量の島原アクセントに発音、ボキャブラリーにスラング(俗語?)と多種多様。しかしハハが知る、「島原なコ」の姿はごくわずか。なぜなら、3歳にしてコトバを使い分けているのです。
普段、ハハとの会話ではよく、「あのさ~、~じゃん。~だった。」とあるのだけど、保育園でお友達や先生と話すとき、まず聞かないというのです。「あのね~(イントネーションが明らかに違う)」、「なんしょっと??」、「今日の給食カレーやった。」・・・たぶん、こんな感じ。
以前、東京の実家に帰ったとき、少しでも島原弁が披露できたらカワイイなぁと期待するも、出ない…、一切出ないのです。ハハの完コピ、ふっつうの標準語。残念っと思っていたのも束の間、まさかの試練がやってきます。
コは日々成長して、ものすごいスピードで言葉を習得していきます。日常の会話に次々と聞き慣れない単語やアクセントが出るようになってきました。
ハハ、 「出かけるよ~!」
コ、 「ちょっと待って!!リュックばからってからくっくばはくっと!!」
......○△×#$%??
その度に、ハハは途方に暮れるほど切なくなるのです。
通い合わせたい気持ちとは裏腹に、話す言葉のアクセントが違うだけで、どこか、もうすでにハハのもとを巣立っているような、異文化の世界を感じるようになってきたのです。
あぁ、落ち込んでいるヒマはない。
ならば、ハハはコからコトバを習おう。なんて、ピュアな発音でしょう?!これなら真似したい!!小学校に上がる頃には、移住ハハだって立派なバイリンガルになれるはず。
それだけを信じ、日々精進を重ねます(笑)。
移住ハハは、島原半島でコ育て通じて田舎ライフを楽しんでいきます。
「どうせ、田舎だから...」 を 「田舎だからこそ...!!」 に変えていけるエッセンスを抽出していけたらと思っています。