頑張っている母たちへ。川口えん長のインタビュー②は、遊びや健康など、気になることをどんどん伺いました。息子たちが2週間お世話になった、えん生活でのエピソードも交えてお届けします。
(※→インタビュー①「見過ぎ、言い過ぎてない?」はこちら)
子どもと遊び
−−ここから、母たちの中で悩みの多いトピックについて伺いますね。まずは遊び。わくわく子どもえんでは、田んぼで海でのびのび遊ぶ子どもたちの姿がまぶしかったです。一方都会では、自然も少なく、禁止事項だらけの公園で、はてどうしよう…となってしまうこともあります。
原っぱにいきました。どう遊ばせよう? 遊具もない? うん。ほっといたらいいんよ。
そこにあるのは「こう遊んで欲しい」という親の正解じゃない?
「遊ばせる」という言葉に、自分の価値観の押し付けが表れてる。大人なんて遊び方をすっかり忘れてるんだから、遊びに関して子どもを何か導こうなんてちゃんちゃらおかしい、ってことに気づいてない。
子どもは言葉が未発達なだけで、体で表現する。木に登りたい子、葉っぱの裏側を見る子、土を掘る子。じっと1つのことだけする子、コロコロ変える子。ぜんぶ、そのまま受け止めたらいいんよ。
遊びってね、だめって言われてもやりたいことよ。そもそも「遊ぶための場所」に行かないとできないことじゃないこと。子どもの暮らしの根幹は、遊びでなくてはならないの。大人が仕事しなきゃいけないように、子どもは遊ばなくちゃいけない。
もしすでに、遊具やおもちゃがないと遊べない思考になってしまってるなら、まず親子でしゃがみこんで地面を触ってみよう。草に寝転んでみよう。石を拾ってみよう。そうしてるうちにもう子どもは、遊びを始めているはずよ。



子どもと自然
−−遊ぶにしろ生活するにしろ、海や山、自然がいっぱいのここの環境はいいですよね。やはり子どもは自然の中で育つのが理想的だと思いますか?
もちろん、自然は子どもたちの心を豊かにしてくれると思う。
でもね、これだけは知ってほしい。一番不自然な存在は、私たち大人です。自然な環境をと願うなら、大人が、あるがままに生きる姿を見せることです。
ビルの中でも自然はある。自然、ジネン。おもねくままにあるもの。どんな大自然の中にいたって、大人が「木の棒は危ないよ!」「転ぶよ!」なんて叫んだときそれはもう自然ではないんです。
僕たちがいかに、いらないものを積み重ねてきているか、染められているかってことに気付こう。そっから子どもをもう一回見てみよう。そしたら子どもがもっと可愛く見える。ここにいてくれてよかったー!!!!って思える。
自然じゃないものはもう1つ、テレビ、スマホ。あなたが与えたくないなら与えるな。と言いたい。ストイックになりすぎると子どもも窮屈だけど、僕はあとで苦労すると思う。今の時代に生まれ暮らしていくことの意味を考えて、折り合いをつけたいよね。


お友達と仲良くしてほしい
−−保育園などでの子ども同士の人間関係を心配する声もあります。仲間はずれで傷ついてしまったりしないか。また、どんな子にも優しい、広い心の子になってほしいとの願いも。
保育園の年齢の子たちの概念に「いじめ」なんてない。弱肉強食、強いものが弱いものの上にマウンティングするのは当然よ。遊びの範疇。
それを大人の概念で、「いじめ」「意地悪」と善悪をくっつけるのは余計なこと。遊びを「遊ばせる」って言うのと同じ考え方よね。
いろんな衝突があって、嫌な思い、悲しい思いをして、分かってくるものがあるんよ。
泣いてしまった子がいたら「悲しかったね、嫌だったね。嫌だったらそれをなぜ相手に言わん? 自分の感覚と相手は違うやろ。教えてあげようよ」って言ってます。


食事はどうしたら?
−−「ごはんを食べない、残す、好き嫌いが多い」というのも、多くの母親たちの悩みです。私も、食卓でいつも怒ってる気がします……。
簡単なこと。お腹が減るまで何も食べさせないで。ごはんを食べさせたいなら、おやつをやめよう。ごはんしか用意しないでいい。
バッグの中にいつも何かしら入れておくのもやめよう。「ない!」でいい。
スーパーでお菓子売り場から離れない? なぜそれが習慣化したかを考えよう。
好き嫌いだって、お腹がペコペコで、モリモリ食べてる状態であれば、まだ幼いうちは口うるさく言わなくていいと僕は思う。嫌いなものは今の年齢の、今日のその子が必要としてないものかもしれん。
食べることは生きること。食べたい意欲は生きる力。そのためにまず、お腹がへることが大事。
その上にお母さんの愛情ふりかけをたっぷりね!それでよか。


子どものからだ
−−風邪をひきやすく体が弱いのが悩みという母も。元気な子に育つためのポイントはなんですか。
過保護やろ。風邪ひかない体つくってないやろ。
クーラー、暖房ガンガン使ってない?
鼻呼吸できてる?
たくさん歩いてる? たくさん遊んでる?
これができてたら風邪なんてひかないはずよ。





▶︎最終回③は、「子どもにありのままを望むなら、母も自分自身を生きよう。」
私たち親が何を見て、どう生きるか。本質的な部分に迫ります!