この本との出会いは、子供を保育園に預けて仕事に復帰し、いわゆる「イヤイヤ期」を迎えた娘の子育てと仕事の両立で葛藤している時でした。
やることなすことイヤだーと全身で抵抗し、床にそっくり返って泣き叫んだり、何をしても収まらず、どうしたいのか、どうしてあげたら良いのか分からなくて、うちの子だけがこんななのかなと不安になることも…。支度をして、さあ玄関で靴を履いて、今日は順調だぞーと思ったら突然始まるイヤイヤ。何かしらきっかけがあったのだろうけど、出掛ける時間が迫ってる時などは、こちらも泣きそうになったものです。いや、時に泣いていました(笑)
今振り返ると、うまく言葉にできない思いを、小さな体を使って一生懸命伝えていたのだろうな、と冷静に受け止められるのですが、その当時の私はそんな余裕はなく、いつまでこれが続くんだろうと絶望的になったり、仕事も子育ても中途半端になっているように思えて焦ったり、やっぱり小さいうちは親と一緒にいる時間の長さが大事なのかなと思い悩んだり、いろいろ考えては答えが見つからず、途方に暮れることもありました。
そんな時、実家から届いた荷物の中に入っていたのが、この『子どもはみんな問題児。』でした。思い悩む子の心を知ってか知らずか。「ぐりとぐら」と言えば、皆さんきっと手にしたことがあるのでは。私も子供の頃に慣れ親しんだ絵本でもあり、今でも子供たちに人気のある名作絵本。その作者である中川李枝子さんが、ご自身の保母さんとしての経験や子育ての体験をベースに、子育てに悩める母たちへ発信しているメッセージは、ガチガチになっていた私の心をほぐして楽にしてくれたのでした。
保母さんとしてたくさんの子どもと接してきた中川さんの言葉には、子どもへの愛が溢れていて、今この時の子どもの一生懸命な可愛さに改めて気付いたりして、うんうん頷きながら、時に涙を浮かべながら読みました。「良い子でも、賢い子でも、聞き分けのいい子でもない、自分丸出しで堂々と生きてる子どもらしい子ども。」そんな風に子どもたちを見てみると、我が子のみならず、どの子も本当にその子なりにまっすぐ一生懸命でかわいいのです。
いつかは過ぎていってしまう、この子育てに奮闘する日々を前向きに楽しんでいきたいな。
「お母さんは日々穏やかな気持ちでいればいい。穏やかにできればと思うだけでいい。」ひさびさに読み返したら、最近これができてなかったなぁと、改めて心に響くメッセージでした。子育て真っ最中の母たちにおすすめの一冊です。