この絵本の主人公は、ある男の子がおばあちゃん宛に書いた手紙『てがみぼうや』です。男の子の手で真っ暗な郵便ポストに投函されるところから始まるのですが、無事おばあちゃんのところへ届けられるのか、てがみぼうやの冒険に引き込まれ、親子でお気に入りの絵本です。
パソコンや携帯から簡単にメールが送れる便利な時代ですが、均一した書体のメールと違い、その人らしい個性ある手書きの文字で綴られた手紙や旅先から届く絵葉書って、相手の思いが伝わり嬉しいものですよね。手紙を書いて切手を貼って、ポストに投函して、何日かの旅を経て誰かのもとに届けられる手紙。手紙を差し出した方は無事届いたかなぁとそわそわ、受け取る方は思いがけない手紙にわくわく、そんな手紙のやりとりって、やっぱりいいものだなぁと改めて思い出させてくれる絵本なのです。この絵本を通して、便利な中でも失ってほしくない大切なものを子どもたちにも感じてもらえたらうれしいな。
優しい色彩とタッチで描かれたイラストは、読むたびに新しい発見があり、大人も楽しめます。
お話の終盤、冒険の末にすっかり汚れてしわしわになったてがみぼうやを受け取って、大事そうに抱きしめるおばあちゃんと、ほっとしておばあちゃんに抱きつく可愛いてがみぼうやに、ほんわかしながら絵本を閉じて、さぁおやすみなさい。といきたいところが、寝る前の絵本タイムはつい途中でうとうとしてしまうことも。顔面に絵本を落とされそうになりながらも、ねぇ続き読んでよ〜と健気に起こしてくれる娘よ、ごめんね。今日は寝ないようにがんばるぞ~!笑